Azure VM ネットワークセキュリティグループでの制御について

このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、 「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、AWS CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。

この記事では、Azure VMにネットワークセキュリティグループが割り当てられていない問題について、リスクと対策を解説します。

ポリシーの説明

仮想マシンのすべてのネットワークインターフェース(NIC)に対して、直接またはサブネット経由でネットワークセキュリティグループ(NSG)をアタッチすることで、ネットワークレベルでのアクセス制御を実現します。NSGは、Azure VMへの不正アクセスを防ぐ最も基本的かつ重要な設定であり、不要なポート開放は防ぐようにしましょう。

修復方法

コンソールでの修復手順

Azure コンソールを使用して、VMにネットワークセキュリティグループを設定します。

1. NSGの作成

  1. Azure Portalで「ネットワークセキュリティグループ」→「作成」を選択
  2. 基本設定:
    • リソースグループ:VMと同じリソースグループを選択
    • 名前:例「nsg-vm-web-prod」(命名規則に従う)
    • リージョン:VMと同じリージョンを選択
  3. 「確認および作成」→「作成」

2. セキュリティルールの設定(Webサーバーの例)

  1. 作成したNSGを開く
  2. 「受信セキュリティ規則」→「追加」
  3. 推奨セキュリティルール:
    優先度 100: AllowSSHFromBastion
    - ソース: Bastionサブネットまたは特定管理IP
    - ポート: 22
    - プロトコル: TCP
    - アクション: Allow
    
    優先度 200: AllowHTTPFromLoadBalancer
    - ソース: AzureLoadBalancer サービスタグ
    - ポート: 80
    - プロトコル: TCP
    - アクション: Allow
    
    優先度 300: AllowHTTPSFromInternet
    - ソース: Internet サービスタグ
    - ポート: 443
    - プロトコル: TCP
    - アクション: Allow
    
    優先度 4096: DenyAllInbound(既定ルール)
    - すべての未定義トラフィックを拒否
    

     

3. VMへのNSG適用(推奠:サブネットレベル)

  1. 「仮想ネットワーク」→ VMが所属するVNetを選択
  2. 「サブネット」→ VMが所属するサブネットを選択
  3. 「ネットワークセキュリティグループ」で作成したNSGを選択
  4. 「保存」

4. VMへのNSG適用(NICレベル – 特殊な場合のみ)

  1. 対象のVMを選択
  2. 「ネットワーク」→「ネットワークインターフェース」を選択
  3. 「ネットワークセキュリティグループ」→「編集」
  4. 作成したNSGを選択し「保存」

5. 適用の確認

  1. VMの「ネットワーク」セクションで「有効なセキュリティ規則」を確認
  2. Azure Network Watcherの「IPフロー検証」でトラフィックフローをテスト
  3. 「セキュリティグループビュー」でルールの優先順位と競合を確認
  4. 必要な通信が許可されていることを実際にテスト

最後に

この記事では、Azure VMにネットワークセキュリティグループが割り当てられていない問題について、リスクと対策を解説しました。

NSGは「Azureの第一の防御線」であり、ゼロトラストセキュリティモデルの基礎となるコントロールです。2024年の脅威ランドスケープを考慮すると、NSGなしでVMをインターネットに公開することは、「鍵をかけずに家を出る」ようなものです。

特に重要なのは、NSGの設定だけでなく、継続的な監視と改善です。NSG Flow LogsやTraffic Analyticsを活用し、異常なトラフィックパターンを早期に発見し、対応することが不可欠です。

この問題の検出は弊社が提供するSecurifyのCSPM機能で簡単に検出及び管理する事が可能です。NSG未設定のVMをリアルタイムで検出し、自動修復ワークフローも提供しています。 運用が非常に楽に出来る製品になっていますので、ぜひ興味がある方はお問い合わせお待ちしております。 最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が皆さんの役に立てば幸いです。

CSPMについてはこちらで解説しております。併せてご覧ください。

参考情報

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