AzureストレージアカウントでTLSバージョン指定の設定手順
このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、 「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(Azure Portal、Azure CLI、PowerShell、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、Azure Storage Accountで旧バージョンのTLS(TLS 1.0/1.1)が有効化されている問題について、セキュリティリスクと具体的な修復手順を解説します。
ポリシーの説明
Azure Storage AccountでTLS バージョン1.2以上が使用されていない設定を検出します。 Azure Storageは現在TLS 1.0、1.1、1.2、1.3をサポートしていますが、TLS 1.0および1.1は既知のセキュリティ脆弱性があり、最新の暗号化標準を満たしていません。
セキュリティリスク軽減とサービス継続性の確保のため、TLS 1.0/1.1の使用を禁止し、TLS 1.2以上を必須とする必要があります。
修復方法
コンソールでの修復手順
Azure コンソールを使用して、ストレージアカウントでTLS 1.2以上を必須とする設定を行います。
手順:
- Azure ポータルにサインイン
- Azure Portalにアクセスします
- 管理者権限を持つアカウントでサインインします
- ストレージアカウントの選択
- 検索バーで「ストレージアカウント」と入力し、選択します
- 一覧から対象のストレージアカウントをクリックします
- 構成設定への移動
- 左側のメニューから「設定」セクションを確認します
- 「構成」をクリックします
- 最小TLSバージョンの設定

- 「最小TLSバージョン」のドロップダウンを確認します
- 「バージョン1.2」を選択します(推奨)
- 設定の保存
- 画面上部の「保存」ボタンをクリックします
- 保存が完了したことを確認します
設定前の確認事項:
- 現在のTLS使用状況の確認
- Azure Monitor → ログで以下のクエリを実行:
StorageBlobLogs | where TimeGenerated > ago(30d) | where TlsVersion in ("TLS 1.0", "TLS 1.1") | summarize RequestCount = count() by TlsVersion, CallerIpAddress, UserAgentHeader | order by RequestCount desc別のサービス用のクエリ:// ファイル共有アクセスの確認 StorageFileLogs | where TimeGenerated > ago(30d) | where TlsVersion in ("TLS 1.0", "TLS 1.1") | summarize count() by TlsVersion, CallerIpAddress // キュー/テーブルアクセスの確認 StorageQueueLogs | where TimeGenerated > ago(30d) | where TlsVersion in ("TLS 1.0", "TLS 1.1") | summarize count() by TlsVersion, CallerIpAddress - 影響を受けるアプリケーションの特定と対処
- .NET Framework:
- 4.5以前: ServicePointManager.SecurityProtocol設定が必要
- 4.6以降: デフォルトでTLS 1.2をサポート
- Java:
- JDK 7以前: TLS 1.2サポートなし(アップグレード必須)
- JDK 8: -Dhttps.protocols=TLSv1.2オプションが必要
- Python:
- 2.7.9以降、3.4以降でTLS 1.2をサポート
- 古いOS/ブラウザ:
- Windows 7/Server 2008 R2: 更新プログラムKB3140245が必要
- IE 11: TLS 1.2を手動で有効化が必要
- Azure SDK:
- 最新バージョンへのアップデートを推奨
- .NET Framework:
最後に
この記事では、Azure Storage Accountで旧バージョンのTLS(TLS 1.0/1.1)が有効化されている問題について、包括的なリスク評価と複数の修復手順を解説しました。
設定変更前に必ず既存のアプリケーションへの影響を確認し、Azure Monitorを使用してTLS使用状況を継続的に監視しながら、段階的な移行計画を実行することを強く推奨します。
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