RDS for SQL Serverの CloudWatch Logsの設定について

このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、AWS CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、RDS for SQL Server DB インスタンスは CloudWatch Logs にログを発行する必要がありますについて、リスクと対策を解説します。

ポリシーの説明
Amazon RDS for SQL Serverは、Microsoft SQL Serverのフルマネージドデータベースサービスであり、CloudWatch Logsへのログエクスポート機能により、データベースのアクティビティを詳細に記録し、運用監視、トラブルシューティング、セキュリティ監査を効率的に行えます。
RDS for SQL ServerでCloudWatch Logsにエクスポート可能なログタイプ:
- error: SQL Serverエラーログ(起動、シャットダウン、エラー、警告メッセージ、認証失敗など)
※注意: トレースファイルやプロファイラートレース、トランザクションログはCloudWatch Logsにエクスポートできません。これらが必要な場合は別途対応が必要です
これらのログをCloudWatch Logsに集約することで、AWS環境での統一されたログ管理と高度な分析が可能になります。
修復方法
コンソールでの修復手順
AWSのコンソールを使用して、RDS for SQL ServerインスタンスのログをCloudWatch Logsに発行する設定を行います。
ステップ1: RDSコンソールへのアクセス
- AWS管理コンソールにログインします
- サービス検索で「RDS」と入力し、「RDS」を選択します
- 左側のナビゲーションペインから「データベース」を選択します
ステップ2: SQL Serverインスタンスの選択
- ログエクスポートを設定したいRDS for SQL Serverインスタンスを見つけます
- インスタンス識別子をクリックして詳細ページを開きます

ステップ3: インスタンスの変更
- 「変更」ボタンをクリックします
- 「追加設定」セクションまでスクロールします
ステップ4: ログエクスポートの設定
- ログのエクスポートセクションで:
- 「CloudWatch Logsに発行するログタイプを選択」の下で以下を選択:
- 重要な考慮事項:
- ログ出力にはわずかなパフォーマンスへの影響があります
- CloudWatch Logsのストレージ料金が発生します
- エラーログは常に有効化することを推奨します

ステップ5: 変更の適用
- ページ下部の「続行」をクリックします
- 変更のスケジュール設定で:
- 即座に適用する場合は「すぐに適用」を選択
- メンテナンスウィンドウで適用する場合は「次のメンテナンスウィンドウ中に適用」を選択
- 「DBインスタンスの変更」をクリックして設定を保存します
ステップ6: 設定の確認
- インスタンスのステータスが「利用可能」に戻るまで待ちます(通常5-10分)
- CloudWatchコンソールに移動し、ロググループが作成されていることを確認します
- エラーログ:
/aws/rds/instance/インスタンス名/error
- エージェントログ:
/aws/rds/instance/インスタンス名/agent
- エラーログ:
- 実際にログが出力されていることを確認するため、CloudWatch Logsでログストリームを開いて最新のエントリを確認します
Terraformでの修復手順
RDS for SQL ServerインスタンスのログをCloudWatch Logsに発行する設定をTerraformで実装します。
# RDS for SQL Serverインスタンス
resource "aws_db_instance" "sqlserver" {
>>>> Skip
# ログエクスポート設定(重要)
enabled_cloudwatch_logs_exports = [
"error", # エラーログ
]
}
最後に
この記事では、RDS for SQL Server DB インスタンスは CloudWatch Logs にログを発行する必要があることについて、リスクと対策を解説しました。
RDS for SQL ServerのログをCloudWatch Logsに発行することで、データベース運用の透明性が確保され、セキュリティインシデントの早期発見、障害の迅速な復旧、コンプライアンス要件への準拠が可能になります。特に、エンタープライズ環境でSQL Serverを運用する場合、包括的なログ管理は不可欠です。
この問題の検出は弊社が提供するSecurifyのCSPM機能で簡単に検出及び管理する事が可能です。 運用が非常に楽に出来る製品になっていますので、ぜひ興味がある方はお問い合わせお待ちしております。 最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が皆さんの役に立てば幸いです。