Google Cloud APIキーのローテーションについて

このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、gcloud CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、APIキーが90日間以上更新されていない状態のリスクと対策を解説します。

問題の概要
APIキーは、Google Cloud APIへの認証情報として使用されますが、サービスアカウントキーやOAuth 2.0と比較して、よりシンプルな認証メカニズムです。このシンプルさゆえに、APIキーは特に公開APIや限定的な機能のアクセスに使用されることが多く、不適切に管理されると重大なセキュリティリスクとなります。
APIキーが必要な場合についてはキーローテンションを行う一方でGKE環境などであれば、Workload Identityの利用やユーザー認証が必要な場合はOAuth 2.0を使用するなど出来る限りAPIキーを発行しないようにしましょう。
どうしても必要なユースケースに置いてもキーの安全な管理としAPIキーは必ずSecret Managerに保存し、アプリケーションは実行時に取得するようなアーキテクチャを取るようにしましょう。
修復方法
コンソールでの修復手順
Google Cloud コンソールを使用して、APIキーのローテーションを行います。
1. 既存のAPIキーの確認
- Google Cloud コンソールにログインします
- 「APIとサービス」 > 「認証情報」に移動します

- 「APIキー」セクションで、作成日時を確認し、90日以上経過しているキーを特定します
2. 新しいAPIキーの作成
- 「認証情報を作成」 > 「APIキー」をクリックします
- 新しいAPIキーが作成されます
- キーをコピーして安全な場所に保存します(この画面を閉じると再表示できません)
3. キーの制限設定
- 作成したAPIキーの名前をクリックします
- 「アプリケーションの制限」セクションで、適切な制限を設定します:
- HTTPリファラー: ウェブアプリケーションの場合
- IPアドレス: サーバーアプリケーションの場合
- Androidアプリ: Androidアプリケーションの場合
- iOSアプリ: iOSアプリケーションの場合
- 「APIの制限」セクションで、必要なAPIのみを選択します

- 「保存」をクリックします
4. アプリケーションの更新
- アプリケーションで使用しているAPIキーを新しいキーに更新します
- 動作確認を行います
5. 古いAPIキーの削除
- 新しいキーが正常に動作することを確認後、古いAPIキーを削除します
- 認証情報画面で、古いAPIキーの横にある削除ボタンをクリックします
- 確認ダイアログで「削除」をクリックします

まとめ
この記事では、APIキーの90日以内の定期的なローテーションについて、リスクと対策を解説しました。
APIキーの定期的なローテーションは、セキュリティリスクを低減し、コンプライアンス要件を満たすために不可欠です。TerraformやCloud Schedulerを活用した自動化により、運用負荷を最小限に抑えながらセキュリティを強化できます。
この問題の検出は弊社が提供するSecurifyのCSPM機能で簡単に検出及び管理する事が可能です。 運用が非常に楽に出来る製品になっていますので、ぜひ興味がある方はお問い合わせお待ちしております。
参考情報
- Google Cloud API Keys Documentation
- API Keys Best Practices
- Secret Manager による認証情報の管理
- Cloud Key Management Service
- Workload Identity Federation
- CIS Google Cloud Platform Foundation Benchmark v1.3.0 – Section 1.15
- NIST SP 800-57 Part 1 Rev. 5 – Recommendation for Key Management
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が皆さんの役に立てば幸いです。