Azure Automanage Machine Configuration のシステム割り当てマネージドIDの設定
このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、 「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、Azure CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、Azure Automanage Machine Configuration(旧称:Azure Policy Guest Configuration)におけるシステム割り当てマネージドIDの実装方法と、アクセスキーからの移行手順を詳しく解説します。

ポリシーの説明
Azure Automanage Machine Configuration(旧称:Azure Policy Guest Configuration)は、仮想マシン内部の設定を監査し、コンプライアンス状態を管理するためのサービスです。この機能は、VM内部のOS設定、アプリケーション構成、セキュリティベースラインへの準拠を継続的に評価します。
本ポリシーは、Machine Configuration エージェントがシステム割り当てマネージドIDを使用してAzureリソースにアクセスし、アクセスキーやシークレットの使用を排除することを確認します。
重要な要件:
- Machine Configuration エージェントバージョン 1.26.24 以降(ApplyAndAutoCorrectモード使用時)
- VMにシステム割り当てマネージドIDが有効化されていること
- 適切なRBACロールの割り当て
修復方法
コンソールでの修復手順
Azure コンソールを使用して、VMゲスト構成拡張機能にシステム割り当てマネージドIDを設定する手順を説明します。
既存VMへのシステム割り当てマネージドIDの有効化
- Azure Portalにログイン
- https://portal.azure.com にアクセスしてログイン
- 仮想マシンの選択
- 左側のメニューから「仮想マシン」を選択
- 対象のVMをクリック
- システム割り当てマネージドIDの有効化
- VMのメニューから「セキュリティ」→「ID」を選択
- 「システム割り当て済み」タブを選択
- 「状態」を「オン」に切り替え
- 「保存」をクリック
- 確認ダイアログで「はい」を選択
- 注意: オブジェクトIDが生成されるまで数分待つ必要があります

- Machine Configuration エージェントの確認
- VMのメニューから「拡張機能 + アプリケーション」を選択
- 以下の拡張機能が存在するか確認:
- Windows: 「AzurePolicyforWindows」または「Microsoft.GuestConfiguration」
- Linux: 「AzurePolicyforLinux」または「Microsoft.GuestConfiguration」

- Machine Configuration エージェントのインストール(必要な場合)
- 「+ 追加」をクリック
- 「Guest Configuration」で検索
- OSに応じた拡張機能を選択:
- Windows: 「Guest Configuration extension for Windows」
- Linux: 「Guest Configuration extension for Linux」
- 「次へ」→「確認および作成」→「作成」をクリック
- 重要: 拡張機能のインストールには5-10分かかる場合があります
- 必要なRBACロールの割り当て
- リソースグループまたはサブスクリプションレベルで「アクセス制御 (IAM)」を選択
- 「+ 追加」→「ロールの割り当ての追加」を選択
- 以下のロールをVMのマネージドIDに割り当て:
- 読み取り専用監査の場合: 「リーダー」ロール
- 構成の適用が必要な場合: 「Guest Configuration Resource Contributor」ロール
- メンバーに VM のシステム割り当てマネージドIDを選択
- 「確認および割り当て」をクリック

Azure Policyを使用した大規模な展開
- Azure Policyにアクセス
- 検索バーで「Policy」を検索して選択
- ポリシー定義の選択
- 「定義」を選択
- 検索バーで「Deploy prerequisites to enable Guest Configuration policies」を検索
- 該当するポリシーを選択
- ポリシーの割り当て
- 「割り当て」をクリック
- スコープを選択(サブスクリプション、リソースグループなど)
- パラメーターを確認・設定
- 「確認および作成」→「作成」をクリック
- 修復タスクの作成
- 「修復」タブに移動
- 「修復タスクの作成」をクリック
- 既存のリソースに対してポリシーを適用
最後に
この記事では、Azure Automanage Machine Configuration におけるシステム割り当てマネージドIDの実装方法と、アクセスキーからの移行手順を詳しく解説しました。
システム割り当てマネージドIDの採用は、ゼロトラストセキュリティの実現に向けた重要なステップです。アクセスキーやシークレットの管理が不要となり、キーローテーションの運用負荷が解消され、Azure AD との統合による完全な監査証跡が実現されます。Machine Configuration との組み合わせにより、継続的なコンプライアンス管理とセキュリティポリシーの自動適用が可能となります。
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CSPMについてはこちらで解説しております。併せてご覧ください。
参考情報
Microsoft 公式ドキュメント
- Azure Automanage Machine Configuration の概要
- Machine Configuration エージェントのインストール
- Azure マネージド ID の概要
- システム割り当てマネージド ID の構成
- Machine Configuration のトラブルシューティング



