Azure VM ゲスト構成拡張機能のインストール設定手順
このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、 「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、AWS CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、Azure VM ゲスト構成拡張機能のインストールについて、リスクと対策を解説します。

ポリシーについて
Azure ゲスト構成拡張機能は、VMのOS設定やアプリケーション構成を監視・管理するための重要なセキュリティツールです。この拡張機能を使うことで、Azure PolicyがVMの内部設定を自動的に監査し、Microsoft Cloud Security Benchmark(MCSB)などのセキュリティ基準への準拠状況を継続的に確認できます。15分ごとに設定をチェックするため、常に最新のセキュリティ状態を把握できます。
セキュリティリスク
この拡張機能がインストールされていない場合、次のようなセキュリティ上の問題が発生する可能性があります:
1. セキュリティ監視の欠如
- Microsoftが定めるセキュリティ基準への準拠状況が把握できない
- OSの危険な設定や誤った構成を見つけられない
- セキュリティパッチが正しく適用されているか確認できない
2. 自動対応ができない
- セキュリティポリシーを自動的に適用できない
- 設定の変更(ドリフト)を検知・修正できない
- 手作業での管理が必要となり、人為的ミスのリスクが高まる
修復方法
コンソールでの修復手順
Azure コンソールを使用して、VMにゲスト構成拡張機能をインストールします。
1. システム割り当てマネージドIDの有効化(前提条件)
- Azure Portalにログインし、対象のVMを選択
- 左メニューから「ID」を選択
- 「システム割り当て済み」タブで「状態」を「オン」に切り替え
- 「保存」をクリックし、確認メッセージで「はい」を選択

2. ゲスト構成拡張機能のインストール
- VMブレードで「拡張機能とアプリケーション」を選択
- 「+ 追加」をクリック
- 拡張機能のリストから選択:
- Windows VM: 「Azure Policy Guest Configuration」
- Linux VM: 「Azure Policy Guest Configuration for Linux」

- 「次へ」→「確認および作成」→「作成」をクリック
3. インストールの確認
- 拡張機能リストで以下を確認:
- Windows: 「AzurePolicyforWindows」
- Linux: 「AzurePolicyforLinux」
- 状態が「プロビジョニング成功」と表示されることを確認
4. 必要なロールの割り当て
- VMの「アクセス制御 (IAM)」を選択
- 「+ 追加」→「ロールの割り当ての追加」
- ロール: 「Guest Configuration Resource Contributor」を選択
- メンバー: VMのマネージドIDを選択
- 「確認と割り当て」をクリック
5. 大規模展開(Azure Policy使用)
- Azure Portalで「ポリシー」を検索
- 「定義」から「Deploy prerequisites to enable Guest Configuration policies」を検索
- サブスクリプションまたはリソースグループに割り当て
- 既存リソースに対して修復タスクを作成
最後に
この記事では、Azure VM ゲスト構成拡張機能のインストールについて、リスクと対策を解説しました。
ゲスト構成拡張機能(現在はMachine Configurationと呼ばれています)は、VM内部のセキュリティ設定を継続的に監視し、コンプライアンスを維持するために不可欠なコンポーネントです。この拡張機能により、セキュリティベースラインへの準拠、脆弱性の早期発見、自動修復が可能となり、セキュリティインシデントのリスクを大幅に削減できます。
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