FSx for OpenZFS ファイルシステムのタグをバックアップとボリュームに自動コピーする設定手順

このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、AWS CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。
この記事では、FSx for OpenZFS ファイルシステムでタグをバックアップとボリュームにコピーする設定について、リスクと対策を解説します。

ポリシーの説明
Amazon FSx for OpenZFSは、完全マネージド型のファイルシステムサービスで、OpenZFSの機能を活用してデータ管理を行います。タグは、AWSリソースの分類、管理、コスト配分に重要な役割を果たします。FSx for OpenZFSでは、ファイルシステムに付与されたタグを、そこから作成されるボリュームやバックアップに自動的にコピーする機能があります。この機能により、リソース管理の一貫性が保たれ、コンプライアンス要件の遵守やコスト追跡が容易になります。
リスク
タグの自動コピーを有効にしていない場合、以下のリスクがあります:
- コスト管理の困難: バックアップやボリュームに適切なタグが付与されていないと、コスト配分タグによる詳細なコスト追跡ができず、予算管理が困難になります
- アクセス制御の不整合: タグベースのアクセス制御(ABAC)を使用している環境では、タグの欠落により適切な権限管理ができなくなる可能性があります
- 自動化プロセスの失敗: タグを基準とした自動化スクリプトやLambda関数が、タグの欠落により正しく動作しない可能性があります
- 運用管理の非効率化: リソースのライフサイクル管理、環境の識別、所有者の特定などが困難になり、運用効率が低下します
修復方法
コンソールでの修復手順
AWSのコンソールを使用して、FSx for OpenZFS ファイルシステムのタグコピー設定を有効にします。
- AWSマネジメントコンソールにログインし、Amazon FSxサービスに移動します
- 左側のナビゲーションペインから「ファイルシステム」を選択します
- 「バックアップとメンテナンス」セクションで以下を確認・設定します:
- 「タグをスナップショットにコピー」を有効化

- 既存のFSx for OpenZFSファイルシステムを更新する場合:
- 対象のファイルシステムを選択します
- 「アクション」から「ファイルシステムの更新」を選択します
- タグコピーオプションを有効に変更します
- 設定の確認と作成:
- すべての設定を確認し、「ファイルシステムの作成」をクリックします
Terraformでの修復手順
FSx for OpenZFS ファイルシステムのタグコピーを有効にするTerraformコードと、主要な修正ポイントを説明します。
# FSx for OpenZFS ファイルシステムの作成(タグコピー有効)
resource "aws_fsx_openzfs_file_system" "main" {
>>> Skip
copy_tags_to_backups = true # バックアップへのタグコピーを有効化
copy_tags_to_volumes = true # ボリュームへのタグコピーを有効化
}
最後に
この記事では、FSx for OpenZFS ファイルシステムでタグをバックアップとボリュームに自動コピーする設定について、リスクと対策を解説しました。
タグの自動コピー機能を有効にすることで、リソース管理の一貫性が保たれ、コスト追跡、アクセス制御、自動化プロセスの信頼性が向上します。特に大規模な環境や複数のチームが関わる環境では、この機能により運用効率が大幅に改善されます。タグ戦略を適切に策定し、一貫した適用を行うことで、AWSリソース管理のベストプラクティスを実現できます。
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