ELBの削除保護の有効化について

このブログシリーズ 「クラウドセキュリティ 実践集」 では、一般的なセキュリティ課題を取り上げ、「なぜ危険なのか?」 というリスクの解説から、 「どうやって直すのか?」 という具体的な修復手順(コンソール、AWS CLI、Terraformなど)まで、分かりやすく解説します。

この記事では、ELB(Elastic Load Balancer)の削除保護が有効化されていない問題について、そのリスクと具体的な対策を解説します。特に、ALB(Application Load Balancer)、NLB(Network Load Balancer)における削除保護の重要性と、Classic Load Balancerからの移行推奨事項についても触れています。

ポリシーの説明

ELB(Elastic Load Balancer)の不慮の削除を防ぐため、削除保護を有効化し、重要なワークロードの可用性を維持するとともに、意図しない設定変更や運用ミスによるサービス中断のリスクを軽減してください。

修復方法

前提条件の確認

修復を開始する前に、以下の点を確認してください:

  • 適切なIAM権限(elasticloadbalancing:ModifyLoadBalancerAttributes)を持っていること
  • 本番環境での変更の場合は、変更管理プロセスに従っていること
  • 削除保護を有効化しても、既存のトラフィックには影響がないこと(削除保護はメタデータの変更のみで、データプレーンには影響しません)
  • Classic Load Balancerを使用している場合は、削除保護機能がサポートされていないため、ALBまたはNLBへの移行計画を検討すること

AWSコンソールでの修復手順

  1. AWSマネジメントコンソールにログインします
  2. EC2サービスに移動します
  3. 左側のナビゲーションペインで**「ロードバランサー」**を選択します
  4. 削除保護を有効にしたいELBを選択します
  5. *「アクション」ドロップダウンメニューから「属性の編集」を選択します
  6. *「削除保護」セクションで、「有効化」**にチェックを入れます
  1. *「変更を保存」**をクリックして設定を確定します

Terraformでの修復手順

aws_lb リソースにてenable_deletion_protection のフラグを有効化すれば削除保護が適用されます。

# Application Load Balancer の設定例
resource "aws_lb" "production_alb" {
  >>>> Skip
  # 削除保護を有効にする(重要)
  enable_deletion_protection = true

}

 

まとめ

この記事では、ELBの削除保護が有効化されていない問題について、技術的リスクからビジネスへの影響まで包括的に解説し、複数の修復方法と確認手順を提供しました。削除保護は、わずかな設定変更で重大なサービス中断を防ぐことができる、費用対効果の高いセキュリティ対策です。

この問題の検出は弊社が提供するSecurifyのCSPM機能で簡単に検出及び管理する事が可能です。 運用が非常に楽に出来る製品になっていますので、ぜひ興味がある方はお問い合わせお待ちしております。 最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が皆さんの役に立てば幸いです。

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